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2024FOSS4G 2024 speaker ブラジル・ベレン talk

WebGIS のツールには、互いに引き裂き合う 2 つの要請がある。プロ向け GIS の全ての複雑さ──多様なジオメトリ形式、レイヤースタイル、3D 地形、リアルタイムデータ、アニメーション、プラグイン──を扱えなければならない。同時に、教育、都市計画、市民、防災チームといった非専門ユーザーにも届かなければならない。多くのツールは結局どちらかに寄ってしまう。専門的だが取っ付きにくいか、シンプルだが機能が限られているか、のどちらかだ。

私たちが向き合ってきた問いは、これが本当にトレードオフなのか、それとも、表面はシンプルに見えながら裏ではちゃんと複雑な仕事をする設計があり得るのか、というものである。今回の登壇では、いくつかの設計判断を紹介した。

  • 多段階の GIS ワークフローを、ひとつの直接的なインタラクションに折りたたむ──「複雑な操作」を「シンプルな UI」へ
  • 多様な GIS 形式にまたがってジオメトリを抽象化し、スタイルをコードとして扱う新しいレイヤーシステム
  • マップ内で 2D / 3D の図形を自由に描き、レイヤーに保存できるスケッチレイヤー
  • ページのスクロールで物語を進めていく、スクロールベースのストーリーテリング
  • レイヤーや 3D 地球をランタイムに拡張する、プラグインの仕組み

これらは「機能」として並べたかったのではなく、それぞれが具体的な設計の問いに対する、小さな賭けである。登壇では Re:Earth Visualizer──私たちのチームがオープンに開発している WebGIS で、国土交通省 PLATEAU プロジェクトや、教育、都市計画、防災、交通など複数のプロジェクトで使われている──を素材にしながら、製品そのものではなく、その下にあるデザインの判断を語った。何が効き、何が効かなかったか、もう一度やるなら何を変えるか。

WebGIS は、インターフェース設計が技術の上に乗った「化粧」ではなく、効き目の大半がそこに眠っている領域のひとつだと思っている。